11月21日(土)文教区民センターにて、朝鮮学校差別反対集会「官民ヘイトの中で私たちはどう闘うのか」が開かれました。
当日の様子と登壇者の声を紹介します。
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まず初めに、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会の共同代表である森本孝子さんによる主催者のあいさつが行われました。森本さんは「朝鮮高校が外されて10年、いまや幼保無償化からも除外、朝鮮大学校も除外、マスクなどの新型コロナ対策の支援も除外されている。裁判も最初に結論ありきで、文科省の判断全てよろしいという忖度があった。日本人として恥ずかしい思いです」とし、日本政府による朝鮮学校差別政策と、それを良しとする司法の決断を批判しました。
次に「草の根ヘイトの実態」というテーマで、ノンフィクションライターである安田浩一さんによる記念講演が行われました。安田さんは、行政が埼玉の朝鮮学校へのマスクの配布を拒否したという「事件」があったこと、さらには、埼玉の朝鮮学校幼稚部では電話が鳴りっぱなしで、「国に帰れ」、「日本人と同じと思うなよ」というヘイトスピーチが続いた事例を紹介し、「コロナは日本社会に根付く差別と偏見を浮き彫りにした」と主張しました。そして、最近メディアやマジョリティがよく使う「社会の分断」という表現に対して、「『分断』というが、マイノリティが望んで線を敷いたわけではない。今敷かれている線は、マジョリティが勝手に線を敷いたものである。『分断』ではなく、『命の線引き』が行われているというほうがしっくりくる。勝手に線引きし除外するという手法が用いられているのだ。」と発言。さらには、両国の横網町公園において「朝鮮人被害者などいなかった、むしろ朝鮮人が虐殺や性犯罪を犯した」というデマを吹く「偽慰霊祭」が行われていることを指摘し、「官と民は分かれているわけではなく、常に連携しながら、『分断』を私たちの社会に強いている。」と発言されました。
次に、朝鮮学校とともに・練馬の会から、林明雄さんが登壇しました。練馬駅前でデモ行動をしている時に大音量でヘイトスピーチを浴びせるという事件があったことを告げ、「朝高生も10人ほどいて、ヘイトスピーチを約40分間にわたって浴びせられた。彼らが負ったであろう心の傷を思うと本当に申し訳ない」と発言。そして、「私たちの会も当初は高校無償化だけだったが、11年目を迎え、それ以外の差別にも立ち向かっていかなければならない」と、団体名を改めた理由を語られました。
東京朝鮮第六幼初級学校友の会からは、伊藤光隆さんが登壇。朝鮮学校を知ってもらうための公開授業や、民族教育の説明やウリマル教室を織り交ぜただいろく友の会の発足会を実施したことを報告されました。そして、「朝鮮学校を立ち上げた1世の思いというのを私たちは常に忘れずに継承していく必要があると思う。次は保護者の方々と話し合って、私たちが何を出来るかを考えたいと思う。だいろく友の会は、政府の差別政策や不当判決に絶対に負けずに立ち向かうことを約束します」と決意を表明しました。
最後の各地域からの報告として、東京朝鮮第四幼初中級学校を支援する区民の会(準)から西澤清さんが登壇。西澤さんは、「多文化共生社会というのは日本社会の使命。日本社会は外国人労働者が必要なのだけれど、政府は多文化共生と口で言いつつ何もやっていない。在日朝鮮人の方々がどう生きるかというのは、もしも多文化共生社会をつくろうというのなら、もっとも大事にしていこうよと思う」と、多文化共生を目指す日本社会にとっての在日朝鮮人の重要性に言及しました。
本集会の最後に、朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会の共同代表である長谷川和男さんが締めの挨拶を行いました。長谷川さんは、「地域から世論を変えていかない限り、全体は変わらない。今の状況を変えるためには地域から変化を起こしましょう。地域の力を結集して、ヘイトに負けず、朝鮮学校を支え、世論を変える闘いを一緒につくっていこうでありませんか」と、力強く参加者全体を奮起し、本集会を締めくくりました。
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これまで以上に力強く連帯し、不当な朝鮮学校差別を止めさせるべく、ともに闘っていきましょう!
(留学同東京・金光洋)
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